所得税などに採用される累進課税制度とは|税率一覧や計算方法を解説

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所得税などに採用される累進課税制度とは|税率一覧や計算方法を解説

所得税には累進課税が採用されていますが、累進課税とは何のか、実は詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。累進課税制度は相続税や贈与税にも採用されているため、理解しておくと納税の際に役立つでしょう。

そこでこの記事では、所得税・相続税・贈与税の累進課税制度についてまとめました。それぞれの税金における主な節税方法も分かる内容です。

累進課税とは、課税対象の額が大きくなるほど税率が高くなる制度です。つまり、所得や資産が多い方により多くの税金が課されます。ここでは、「なぜ累進課税が採用されているのか」「累進課税がどのような税金で採用されているのか」に焦点を当てました。

なぜ累進課税が採用されているのか

累進課税によって納付された税金は、国の社会保障制度などを通し、所得・資産が少ない方や障害がある方の生活を援助するために用いられます。また、所得格差の緩和という役割もあります。累進課税を採用することで、所得や財産の少ない方に分配する「所得の再分配」が可能です。

しかし、それでは所得や資産が増えるほど損するように感じる方もいるのではないでしょうか。よくある疑問として挙がるのは、「税率の変わり目にある方が最も損するのではないか」という声です。

結論から言うと、日本で採用されている超過累進課税では、税率の変わり目であっても大きな損はしないと言えます。例えば「1~50万円は税率10%」「51~100万円は税率20%」と設定されている場合、課税所得が50万円の方の税金は5万円、51万円の方は10万2,000円とはなりません。

超過累進課税は、課税対象の金額が一定額を超えた場合に、超えた分に対してのみ高い税率がかかる制度だからです。課税所得が51万円になっても、「50万円×10%+1万円×20%」と計算し、税金は5万2,000円になります。

所得税・相続税・贈与税は累進課税制度

日本では所得税の他、相続税や贈与税で超過累進課税が採用されています。所得税は5%~45%の7段階、相続税・贈与税は10%~55%までの8段階の税率です。超過累進課税では、一定額ごとに階段状に税率が適用されます。

仮に「1~50万円は税率10%」「51~100万円は税率20%」という超過累進課税が設けられている場合、100万円の課税金額がある方が納めるのは15万円です。50万円までは「50万円×10%=5万円」、51~100万円までは「50万円×20%=10万円」という計算をします。

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所得税とは、個人の1年間の所得に対して課税されるものです。「所得」とは、1年間の収入から必要経費などを差し引いた金額を指します。累進課税によって収入に応じた税率が適用される他、家族構成などを考慮した控除を差し引いて所得税が決まります。

 

所得税の累進課税率一覧

所得税の税率は、次表の通り5%から45%の7段階に分かれています。表中の「課税される所得金額」とは、その年の1月から12月までの所得金額の合計から所得控除を差し引いた金額です。なお、課税される所得金額では、千円未満の端数金額を切り捨てます。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~194万9,000円 5% 0円
195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

所得税の対象となる所得は、会社員の給与などの給与所得や個人事業主の収入である事業所得のなど10種類に区分されており、所得の種類によって課税方法が異なります。

退職所得や山林所得、譲渡所得(土地や建物)は、他の所得と区別して個別に税金を計算する「分離課税方式」です。これらの所得には、上記の累進課税率は適用されません。

所得税の計算方法

所得税の計算では、まず必要経費や所得控除を差し引いて課税所得金額を求めます。累進課税による税率は、この課税所得金額に対して乗じる点に注意しましょう。

(1)収入-必要経費=所得
(2)所得-所得控除=課税所得金額
(3)課税所得金額×税率-控除額=所得税額

例えば課税所得金額が400万円の場合、次のように計算します。

・400万円×20%-控除額42万7,500円=所得税額37万2,500円

なお、累進課税率一覧表中の控除額は、段階別の税率を使って何度も計算しなくてもよいよう記載されているものです。対応する税率を乗じた額から控除額を差し引くことで煩雑な計算をせずに済みます。

所得税の主な節税方法

ここでは、所得の額から控除できる「所得控除」や、所得税の金額から控除できる「税額控除」のうち主なものを紹介します。

住宅ローン控除 住宅ローンを利用してマイホームを新築・購入し、一定要件を満たすと利用可能。年末時点の住宅ローン等残高から計算した金額を所得税額から控除できる
生命保険料控除 生命保険や個人年金保険、介護医療保険の保険料のうち一定額を所得から控除できる
医療費控除 原則、年間10万円を超える医療費が所得控除の対象になる
個人型確定拠出年金(iDeCo) 個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は全額が所得控除できる
ふるさと納税 任意の自治体に寄附ができ、一定額が所得税や住民税から控除できる
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相続税とは、亡くなった方の財産を受け取った際に課される税金です。相続税の計算にも累進課税が適用されており、取得する財産が大きいほど税率も高くなります。

相続税を計算するためには、まず相続財産の評価額を算出しなければなりません。財産の種類によっては、複雑な計算が必要です。土地など評価が難しい財産がある場合には、税理士に相談することをおすすめします。

相続税の累進課税率一覧

相続税の税率は、次表の通り10%から55%の8段階に区分されています。なお相続税額は、下表の税率を各法定相続人の取得金額に乗じただけでは算出できない点に注意が必要です。

各法定相続人の取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

相続税の計算方法

(1)相続税の対象となる財産の総額を計算
・相続財産の総額-(非課税財産+債務+葬式費用)=相続税の課税価格
・相続税の課税価格-基礎控除=課税遺産総額

相続財産の中から、墓地や仏壇の購入費などの非課税財産や債務、葬式費用を差し引き、相続税の課税価格を求めます。相続税の課税価格から基礎控除の「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を差し引いた額が、課税遺産総額です。

(2)いったんの相続税額を計算
・課税遺産総額×法定相続分×税率=各人のいったんの相続税額

実際の納付額を計算する前に、法定相続分に則って「いったんの相続税額」を計算します。この段階では、実際に相続財産がどのように分けられているかは関係ありません。ここで累進課税率を用います。

(3)実際の相続税額を計算
・各人のいったんの相続税額の合計=相続税の総額
・相続税の総額×各法定相続人が実際に相続する課税価格÷課税価格の合計額=各人の算出税額
・各人の算出税額-税額控除=各人の実際の相続税額

相続税の総額を各人が実際に相続する財産の割合で按分した額が、各人が実際に納める相続税額です。適用できる税額控除がある場合は、最後に差し引きます。

相続税の主な節税方法

ここでは「生命保険金などの非課税枠を利用する」「税額控除を利用する」「小規模宅地等の特例を利用する」方法を解説します。

・生命保険金などの非課税枠を利用する
生命保険金は、「500万円×法定相続人の数」までが非課税です。例えば、配偶者と子供2人の合計3人が法定相続人の場合、「500万円×3人=1,500万円」までは相続税がかかりません。

・税額控除を利用する
相続税には、相続税額から控除できる「税額控除」と呼ばれる制度があります。要件を満たす場合、次のような税額控除の利用が可能です。

税額控除 概要
配偶者の税額軽減 配偶者は「1億6,000万円」または
「配偶者の法定相続分の財産額」のどちらか
大きい金額までは相続税がかからない
未成年者控除 法定相続人が20歳未満(令和4年4月1日以後は18歳に引き下げ)の場合は一定の金額を差し引ける
障害者控除 法定相続人が85歳未満の障害者の場合は一定の金額が差し引ける
相次相続控除 10年以内に相次いで相続が発生し、被相続人が前回の相続で相続税を納付していた場合は、その被相続人から財産を取得した人の相続税額から一定の金額を控除できる
贈与税額控除 法定相続人が過去3年以内に納めた贈与税の金額が控除できる
外国税額控除 海外で既に相続税に相当する納税を済ませている場合は一定の金額を差し引ける

・小規模宅地等の特例を利用する
小規模宅地等の特例とは、被相続人または被相続人と生計を一にする親族が使っていた居住用または事業用の宅地等を相続する場合、一定の適用要件を満たしていれば土地の評価額が最大80%減額できる制度です。

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贈与税とは、個人から個人へ財産を贈与した場合に課される税金です。贈与税には、一般税率と特例税率がある点に注意しましょう。特例税率は、祖父母や父母などの直系尊属から20歳以上の子や孫への贈与税を計算する際に適用される税率です。一般税率は、特例税率に該当しないケースの贈与に使われます。

贈与税の累進課税率一覧

贈与税の税率は、10%から55%の8段階に区分されます。最高税率は相続税と同じですが、相続税の最高税率が「6億円超」に対してかかる一方で、贈与税は「3,000万円超」(一般税率)です。相続税の課税を逃れるために生前に贈与することのないよう、贈与税は相続税よりも税負担が重くなっています。

贈与税の基礎控除は110万円です。基礎控除を差し引いた後の課税価格に対し、次表の税率を乗じて計算します。

・一般税率

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

・特例税率

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0円
200万円超~400万円以下 15% 10万円
400万円超~600万円以下 20% 30万円
600万円超~1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超~1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超~3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超~4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

贈与税の計算方法

一般税率は、配偶者や兄弟姉妹など直系尊属以外の親族から贈与を受けるケースや、直系尊属から20歳未満の子や孫が贈与を受けるケースなどに適用されます。例えば、祖母から18歳の孫が600万円の贈与を受けた場合の計算方法は、次の通りです。

・600万円-基礎控除110万円=490万円
・490万円×一般税率30%-控除額65万円=82万円

同じ孫に対する贈与であっても、孫が贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上であれば特例税率を使用します。計算方法は次の通りです。

600万円-基礎控除110万円=490万円
490万円×一般税率20%-控除額30万円=68万円

贈与税の主な節税方法

贈与税には、暦年贈与と相続時精算課税制度の2つの制度があります。暦年贈与における

毎年110万円の非課税枠は、一般的な節税方法としてよく利用されているでしょう。この非課税枠は受贈者1人に対し適用されるものなので、贈与者は非課税枠を使って複数の人に贈与できます。祖父から孫5人に贈与する場合は、家族単位で見ると年間合計550万円まで非課税です。

相続時精算課税制度を利用すると、60歳以上の父母または祖父母が20歳以上の子や孫に財産を贈与する場合に2,500万円まで贈与税がかかりません。制度を適用して贈与した財産は、相続発生時に相続財産に加わる仕組みです。贈与時点での税金を考慮しなくてよい一方で、暦年贈与との併用は認められていないなど注意点もあります。

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資産価値が低く売却が困難なのにもかかわらず、相続税評価額は高い土地を相続されたXさんの事例をご紹介します。

《詳細》
・被相続人:Xさん
・家族構成:妻・子2人
・財産状況:空き地(売却困難)5,000万円、自宅5,000万円、預貯金1億円

財産内容 税務上の評価方法で申告した場合 空き地について鑑定評価を採用した場合
空き地 5,000万円 2,000万円
自宅 5,000万円 5,000万円
預貯金 1億円 1億円
資産合計 2億円 1億7,000万円
相続税総額 3,340万円 2,440万円

財産評価基本通達によって評価をすると「著しく課税の公平を欠くことになる」などの理由がある場合は、鑑定評価による申告が可能です。形がいびつな土地など相続税評価額よりも時価が低いと考えられる場合は、不動産鑑定士と連携して評価の圧縮を検討します。

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累進課税とは、税金の対象となる財産が増えるほど高い税率で課税される制度です。所得税や相続税、贈与税の節税方法は、一人一人の状況によって適する方法が違います。いずれの節税方法であっても長期的に行うほうがより大きい効果が得られるので、できるだけ早い段階で税理士に相談することをおすすめします。

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