相続税はいくらまで無税か徹底解説【2021年】計算方法と判断基準

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相続税はいくらまで無税か徹底解説【2021年】計算方法と判断基準

故人の財産を相続するときに発生するのが相続税です。自分の相続税が無税になるのか知りたい方や相続税がかかるケースが気になる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、2021年現在、相続税はいくらまで無税なのか解説します。計算方法や判断方法といった基礎知識も併せて紹介するため、無税になる基準が分かり、相続税がかかるかどうかを自分で判断できるようになるでしょう。

相続税はどのようなケースでもかかるというイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、実際には遺産を相続しても納税義務が発生しないケースもあります。相続税が無税になるのは大きく分けて2パターンです。ここでは、相続税がかからない2つのケースについて解説します。

簡単!基礎控除の計算方法

基礎控除とは、遺産総額から一定額を差し引ける制度です。他の控除は条件に合致しなければ適用できませんが、基礎控除は誰でも適用できます。計算式と基礎控除の早見表は、以下の通りです。

【計算式】

・基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

【早見表】

法定相続人の数 基礎控除
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
以降、法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ加算

遺産の総額が3,600万円以下なら無税

法定相続人が1人のときの基礎控除は3,600万円で、以降、法定相続人が1人増えるごとに600万円ずつ加算します。したがって、遺産総額が3,600万円以下であれば無税です。3,600万円を超えていても法定相続人が2人以上いて、遺産総額が基礎控除以下であれば相続税は発生しません。

控除や特例を利用して無税になった場合

遺産総額が基礎控除を上回り相続税が発生しても、他の控除や特例によって相続税額がかからないケースがあります。ただし、控除や特例を適用できるのは条件に合う方のみです。中でも、多くの方が利用する以下の控除や特例は後ほど詳しく解説するため、参考にしてみてください。

・配偶者の税額軽減
・未成年者控除
・障害者控除
・相次相続控除
・小規模宅地等の特例

基礎控除の計算に出てくる「法定相続人」について気になる方もいるでしょう。法定相続人とは「法律上、遺産を相続する権利のある方」を指し、遺言で指定がない限り、法定相続人が遺産を相続します。対象となる条件は決まっていますが、中には「相続放棄した人がいる」といった注意が必要なケースもあるため、事前に知識を深めておきましょう。

順位が高い人のみ相続可能

相続順位に従い、最も順位の高い関係性の方のみが法定相続人になります。例えば、子がいれば子のみが、子がいなければ父母が法定相続人になると考えればよいでしょう。

また、被相続人に法律上の配偶者がいる場合、配偶者は常に法定相続人です。配偶者は被相続人との関係が深いため、相続においては他の法定相続人に比べて特別な位置付けとなっています。相続順位は以下の通りです。

順位 関係性(代襲相続人)
第1順位 子(孫)
第2順位 父母(祖父母)
第3順位 兄弟・姉妹(甥・姪)

法定相続人がすでに亡くなっている場合、世代を飛び越えて相続できる権利が移動する制度を「代襲相続」といいます。基礎控除を計算する際は、代襲相続人も法定相続人の数に含めましょう。

法定相続人のパターンと相続分

法定相続人が遺産を相続できる割合として「法定相続分」が決まっています。いくつかのパターンと法定相続分を紹介しましょう。

【配偶者あり】

パターン 法定相続分
配偶者+子(孫) 配偶者1/2 子(孫)1/2を人数で分ける
配偶者+父母(祖父母) 配偶者2/3 父母(祖父母)1/3を人数で分ける
配偶者+兄弟・姉妹(甥・姪) 配偶者3/4 兄弟・姉妹(甥・姪)1/4を人数で分ける
配偶者のみ 全額

【配偶者なし】

パターン 法定相続分
子(孫)のみ 全額を人数で分ける
父母(祖父母)のみ 全額を人数で分ける
兄弟・姉妹(甥・姪)のみ 全額を人数で分ける

実際には、法定相続分の通りに相続しない場合もあります。遺言で指定がない限り、相続財産の取り分は法定相続人の間で遺産分割協議をして決定するのが一般的です。ただし、法定相続分は相続税を計算する際にも利用するため、確認しておくとよいでしょう。

注意が必要なケース

法定相続人の中に相続放棄した方や養子がいるといったイレギュラーなケースも考えられるでしょう。主なケースと基礎控除の計算におけるカウントの可否は以下の通りです。

・養子がいる場合:養子も法定相続人になれますが、人数制限があります。実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合には2人まで可能です。

・相続放棄があった場合:相続放棄を選んだ法定相続人は、遺産の相続はできません。ただし、基礎控除の計算では、相続放棄をした方も法定相続人に含めてカウントします。

・内縁の妻や夫がいる場合:法律上の婚姻関係がない方は法定相続人にはなれず、基礎控除を割り出す際も法定相続人には含みません。


自分が負担する正確な相続税額を割り出すには、正しい手順を知る必要があるでしょう。ここでは、相続税の計算方法とポイントを手順に沿って紹介します。相続税額が気になる方は、自身のケースに当てはめて計算してみるとよいでしょう。

手順1.遺産総額を確認する

遺産総額を把握するために、預貯金といったプラス財産だけでなく全てを洗い出します。遺産に含む財産の種類は以下の通りです。

・プラスの財産
・みなし相続財産
・相続開始前3年以内の贈与
・相続時精算課税によって取得した財産
・マイナスの財産
・葬式費用

遺産総額を求めるとき、マイナスの財産や葬式費用は差し引けます。財産の金額が間違っていたり洗い出しに漏れがあったりすると相続税額も変わるため、丁寧に確認することが大事です。

手順2.基礎控除を差し引く

遺産総額が分かったら、基礎控除を差し引きます。基礎控除より遺産総額のほうが少なければ相続税は課税されません。相続税がかかる場合、相続が発生したことを知った日から10か月以内に申告書の届け出をする必要があります。正しい相続税額を計算し、申告書や納税書を作成しましょう。

手順3.相続税の総額を計算する

相続税の納税義務がある場合、まずは相続税の総額を計算します。遺産総額をそれぞれの法定相続分で按分し、税率をかけて控除を差し引くことで求められるのが、各自のいったんの相続税額です。続いて、全員の相続税額を合計し、相続税の総額を割り出しましょう。各法定相続人の取得金額ごとの税率と控除は以下の通りです。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

(参考: 『No.4155 相続税の税率|国税庁』)

手順4.各自の納税額を割り出す

最後に、相続税の総額を実際の相続割合で按分すると、各自が納める相続税額が分かります。相続割合によっては、いったん求めた相続税額と異なるケースもあるため、注意しましょう。

相続税は法定相続人全員分を一度に納めるのではなく、1人1人が各自で納税します。したがって、実際に自分が相続する財産にいくら税金がかかるのか、正しい計算方法と手順で正確に割り出すことが大事です。

ポイント1.マイナスできる財産

相続税額を計算する際に、債務や葬式費用、相続開始前3年以内に納めた贈与税は差し引けるため、見落とさないようにしましょう。マイナスできる財産の例は以下の通りです。

債務 ・未払金
・借入金
・連帯保証債務
葬式費用 ・通夜や告別式にかかった費用
・遺骨や遺体の移送費用
・お布施や心付けとして支払った費用
支払った贈与税 ・3年以内の贈与財産の贈与時に納めた贈与税
・相続時精算課税制度適用時に納めた贈与税

ポイント2.非課税財産

相続財産に含める必要のない非課税財産もあります。非課税財産を差し引くことで遺産総額が減り、相続税が0円になることもあるため、遺産内容に非課税財産を含んでいないかよく確認しましょう。

【非課税財産の一例】
・死亡保険金(500万円×法定相続人の数まで非課税)
・死亡退職金(500万円×法定相続人の数まで非課税)
・弔慰金(業務上の死亡の場合は死亡時の普通給与額×36か月まで、業務外の死亡の場合は死亡時の普通給与額×6か月まで非課税)
・生前に被相続人が購入した墓石や仏具
・公共団体への寄付金

相続税の計算は複雑です。早見表を見れば、相続税額がおおよそいくらになるか確認できます。以下の表は「配偶者あり」と「配偶者なし」の2パターンです。遺産は法定相続分で按分したものと仮定し、配偶者ありのパターンでは配偶者の税額軽減を適用しています。

【配偶者あり】

基礎控除前の遺産総額 配偶者+子1人 配偶者+子2人 配偶者+子3人 配偶者+子4人
5,000万円 40万円 10万円
6,000万円 90万円 60万円 30万円
7,000万円 160万円 113万円 80万円 50万円
8,000万円 235万円 175万円 138万円 100万円
9,000万円 310万円 240万円 200万円 163万円
1億円 385万円 315万円 263万円 225万円
2億円 1,670万円 1,350万円 1,218万円 1,125万円
3億円 3,460万円 2,860万円 2,540万円 2,350万円
4億円 5,460万円 4,610万円 4,155万円 3,850万円
5億円 7,605万円 6,555万円 5,963万円 5,500万円

【配偶者なし】

基礎控除前の遺産総額 子1人 子2人 子3人 子4人
5,000万円 160万円 80万円 20万円
6,000万円 310万円 180万円 120万円 60万円
7,000万円 480万円 320万円 220万円 160万円
8,000万円 680万円 470万円 330万円 260万円
9,000万円 920万円 620万円 480万円 360万円
1億円 1,220万円 770万円 630万円 490万円
2億円 4,860万円 3,340万円 2,460万円 2,120万円
3億円 9,180万円 6,920万円 5,460万円 4,580万円
4億円 1億4,000万円 1億920万円 8,980万円 7,580万円
5億円 1億9,000万円 1億5,210万円 1億2,980万円 1億1,040万円


相続税がかかる場合、基礎控除以外の控除や特例も利用可能です。適用することで、相続税が無税になる場合もあります。ただし、適用条件や控除できる金額には決まりがあるため、具体的な内容を事前に確認するとよいでしょう。ここでは、相続時に利用できる主な控除と特例を紹介します。

大幅に減税できる配偶者の税額軽減

配偶者が遺産を相続する場合、配偶者が実際に取得した遺産額のうち、「1億6,000万円」または「法定相続分」どちらか多い金額までは控除可能です。例えば、相続するのが1億6,000万円以下であれば、相続割合にかかわらず配偶者の相続税はかかりません。10億円でも法定相続分を超えなければ配偶者は無税です。ただし、以下の適用条件をクリアする必要があります。

・法律上、婚姻関係にある配偶者であること
・税務署に「相続税申告書」を提出すること
・遺産分割協議が完了していること
※遺産分割協議が未完了でも「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することでクリアできます

適用できるか確認したいその他の控除

配偶者の税額軽減以外にもいくつかの控除があります。適用条件に合う法定相続人であれば利用できるため、自分が適用できる控除がないか確認するとよいでしょう。

・未成年者控除:満20歳未満の法定相続人に適用可能。「(20歳-相続開始時の年齢)×10万円」を相続税額から控除できる。※令和4年4月1日以降は18歳未満に引き下げ

・障害者控除:心身に障害を持つ法定相続人に適用可能。「(85歳-相続開始時の年齢)×10万円」を相続税額から控除できる。※特別障害者は「(85歳-相続開始時の年齢)× 20万円」

・相次相続控除:10年以内に被相続人が相続によって財産を取得し相続税を納めていた場合、前回の相続時に納めた相続税額の一部を今回の相続税から控除できる

最大80%の節税効果!小規模宅地等の特例

自宅や事業所を受け継ぐ場合に利用できる特例で、土地の評価額を最大80%削減できます。それぞれの減額割合と限度面積、適用条件は以下の通りです。

【減額割合と限度面積】

種類 限度面積 減額割合
特定居住用宅地(自宅) 330平方メートル 80%
特定事業用宅地(事業所) 400平方メートル 80%
貸付事業用宅地(貸付用) 200平方メートル 50%

【自宅の適用条件】
・配偶者が相続する場合:適用条件なし
・同居親族が相続する場合:相続税申告期限までの宅地所有、居住継続が必要
・別居親族が相続する場合(配偶者・同居親族なし):相続税申告期限までの宅地所有が必要、持ち家に住んでいない など


相続税の申告は誰でも必ずしなければならないと考えている方もいるかもしれませんが、申告の必要性はケースによって異なります。例えば、遺産総額が基礎控除以下であれば必要ありません。一方、控除によって無税になった場合には申告が必要です。ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。

法定相続人1人なら基礎控除3,600万円以下は申告不要

遺産総額が基礎控除以下であれば相続税がかからないため、申告は不要です。ただし、未払金や借入金といった負債が多く「相続放棄」や「限定承認」をする場合には、相続が発生したことを知った日から3か月以内に申述する必要があります。必要書類を用意し、被相続人の住所地管轄の家庭裁判所に申述しましょう。

相続税が発生したら申告が必要

特例や控除を利用しても遺産総額が基礎控除より多い場合、相続税が発生するため、申告しなければなりません。申告書は、税務署の窓口や国税庁のホームページから入手可能です。申告書を作成して必要書類をそろえたら、被相続人の住所地管轄の税務署に郵送で提出しましょう。

相続税の申告書は被相続人が亡くなったことを知った日から10か月以内に提出する必要があります。遺産が多かったり特例を利用したりと複雑なケースは、税理士に相談すると安心でしょう。

特例や控除を利用して無税になった場合

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を利用した結果、相続税が0円になった場合、納税義務はありませんが申告は必要です。基礎控除の場合と対応が異なるため、注意しましょう。他にも、遺産分割協議が進まず申告期限に間に合わないときも、「申告期限3年以内の分割見込書」と一緒に、いったん申告書を提出します。

自分で相続税額を計算したり控除や特例の適用条件を確認したりしていると、難しくてよく分からないと感じる方もいるでしょう。「相続税がかかるか」「納税額はいくらになるか」といった判断が難しい場合には相続のプロであるアイユーコンサルティングにご相談ください。

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遺産総額が基礎控除以下であれば相続税は無税です。また、基礎控除を上回った場合でも、控除や特例を利用して相続税がかからない場合もあります。相続税がいくらになるか気になる方は、計算方法や早見表を用いて相続税額を確認しましょう。

ただし、相続税の特例や控除には適用条件があり、正確に判断するのは困難です。申告期限は10か月と決まっており、忙しい中で手続きを進めるのは難しいでしょう。相続税に関して気になることや悩みがあれば、アイユーコンサルティングにご相談ください。初回相談無料で、いつでもお気軽にご連絡いただけます。

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