相続放棄申述書とは?書き方や入手場所・必要書類などを詳しく解説

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相続放棄申述書とは?書き方や入手場所・必要書類などを詳しく解説

相続放棄をするなら、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出しなければなりません。作成には注意すべき点があり、万が一申告期限内に提出できないと相続放棄ができないため、慎重かつ迅速に進める必要があります。

そこでこの記事では、相続放棄申述書の書き方や入手方法、必要書類、費用などを紹介します。相続放棄申述書について網羅的に学ぶことで、スムーズに手続きできるようになるでしょう。ただし、難しいと感じた場合は無理をせず、専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄は相続方法のひとつで、被相続人の全ての財産を相続しないことです。原則、相続はプラスの財産もマイナスの財産も受け継ぐ「単純承認」であり、被相続人が借金を残しているケースでも引き継がなければなりません。しかし、それで生活が立ち行かなくなっては困るため、プラス・マイナスの財産共に相続をしない選択肢が用意されています。

相続放棄をするには、「相続放棄申述書」が必要です。「相続開始を知ってから3か月以内」に家庭裁判所に提出することで審査が行われ、問題がなければ正式に認められます。期限内に提出しないと単純承認になるため注意しましょう。

相続放棄申述書は家庭裁判所か裁判所のホームページで入手できます全国の家庭裁判所に置いてあり、窓口に出向くことでもらえます。ホームページからダウンロードする際は、「家事審判の申立書」のページにアクセスしましょう。

なお、申述人(相続放棄をする人)が「20歳以上」か「20歳未満」かで相続放棄申述書の書式が異なります。

(参考: 『家事審判の申立書』)

相続放棄申述書は表面と裏面があり、全ての事項を記載する必要があります。相続の開始を知った日や、申述人・被相続人などの情報を詳細に書かなければなりません。家庭裁判所は提出された相続放棄申述書をもとに、「相続放棄の可否」をチェックします。スムーズに相続放棄を終えられるように、書き方を学びましょう。

裁判所名・日付・申述人名の記入と押印・添付書類にチェック

はじめに表面にある裁判所名・日付・申述人名を記入します。裁判所名は申述先のことで、被相続人の住んでいた地域を管轄する家庭裁判所です。例えば東京家庭裁判所であれば「東京」と記入します。地名部分となる支部名は不要です。

日付は家庭裁判所に申述する日、申述人名は相続放棄をする人です。申述人が未成年者であれば、法定代理人の名前を記載します。押印は認め印でも問題ありません

さらに、戸籍謄本、被相続人の住民票除票または戸籍附票の添付も必要です。通数も合わせて記載します。

申述人の情報

次に申述人の本籍・住所・氏名・生年月日・職業・被相続人との関係を記入します。氏名にはフリガナも忘れずに振りましょう。本籍地は現住所ではなく、戸籍謄本を見て記載します。住所は住民票に記載されてある通りのものです。

被相続人との関係は、「子」「孫」「配偶者」「直系尊属(父母・祖父母)」「兄弟姉妹」「おいめい」「その他」から選択します。

法定代理人等の情報

申述人が未成年の場合は、法定代理人となる親権者や後見人の住所と氏名を記載します。法定代理人とは未成年者の代わりに法律行為を行う者のことです。一般的には親権者として父・母を選出しますが、父・母が亡くなっている場合などには後見人を選びます。申述人が20歳以上であれば、法定代理人等の欄は空欄で構いません。

被相続人の情報

被相続人、つまり亡くなった方の本籍・最後の住所・氏名・死亡当時の職業・死亡日も忘れずに記入します。申述人と被相続人の本籍地・最後の住所が同じであれば、「申述人の本籍に同じ」「申述人の住所に同じ」と記載しても問題ありません。

相続の開始を知った日

相続放棄申述書の申告期限は「相続の開始を知った日から3か月以内」です。相続の開始を知った日を記入し、死亡の事実を当日知ることがなかった方は「死亡の通知をうけた日」「先順位者の相続放棄を知った日」「その他」のどれかに丸を付けましょう

例えば自身が被相続人の親で子(先順位の相続人)が相続放棄をした場合には、「先順位者の相続放棄を知った日」に丸を付けます。

相続の開始を知った日は相続放棄できるかどうかの重要なポイントとなるため、間違えないようにしましょう。

放棄の理由

相続放棄の理由を選びます。「被相続人から生前に贈与を受けている」「生活が安定している」「遺産が少ない」「遺産を分散させたくない」「債務超過のため」「その他」から当てはまるものに丸を付けましょう

被相続人の借金が理由であれば、「債務超過のため」になります。別の理由があれば「その他」を選び、詳しく書きましょう。放棄の理由で却下されることはほぼありません。

相続財産の概略

最後に相続財産の金額を記載しましょう。項目は農地・山林・宅地・建物・現金預貯金・有価証券・負債に分かれています。不動産は金額ではなく、面積だけで問題ありません。

金額はおおよそで構いませんが、虚偽内容を書くのは厳禁です。財産を全く把握できていない方は、金融機関などに問い合わせることをおすすめします。

相続放棄申述書は他の必要書類も同封して提出しますが、必要な書類は申述人によって異なります。例えば配偶者の場合と兄弟姉妹の場合とでは、兄弟姉妹のほうが多くの書類が必要になります。具体的にはどう異なるのか、詳しく解説します。

全ての申述人に共通して必要な書類

全ての申述人に共通する必要書類は、以下の3つです。

・相続放棄申述書
・被相続人の住民票除票または戸籍付票
・申述人の戸籍謄本

提出後、家庭裁判所にて相続放棄の可否を審理します。別の書類を提出するよう連絡が来たら応じましょう。

申述人によって異なる書類

共通書類に加えて、申述人によって以下の書類を用意します。

申述人 必要書類
配偶者・子 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
孫またはひ孫
(代襲者)
・被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
・被代襲者(子など本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍謄本
父母または祖父母 ・被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本
・(子または孫が死亡している場合)子または孫の出生から死亡までの戸籍謄本
・(父母が死亡しており祖父母が申述する場合)父母の死亡記載のある戸籍謄本
兄弟姉妹または甥姪 ・被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本
・父母または祖父母の死亡の記載のある戸籍謄本
・(子、孫またはひ孫が死亡している場合)子、孫またはひ孫の出生から死亡までの全ての戸籍謄本
・(兄弟姉妹が死亡しており甥姪が申述する場合)兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍謄本

相続順位が後になるにつれて必要書類が多くなります。前順位の相続人が死亡して自身に相続権が移り、相続放棄を申述する場合は、前順位の相続人の死亡を証明しなければならないからです。

相続放棄申述書は、被相続人の住んでいた住所を管轄する家庭裁判所に提出します。提出方法は窓口への持参か、郵送です。被相続人が遠くに住んでいた場合は郵送をおすすめします。

「相続の開始を知ってから3か月以内」に申述しなければなりません。例えば「相続の開始を知った日」に令和3年1月10日と記載したら、期限は令和3年4月10日です。ただ、期限満了日が休日ならその翌日にずれるなどややこしい決まりもあるため、困ったら専門家に相談するとよいでしょう。

なお、相続放棄の申述期限をオーバーしても例外が認められる場合があります。特殊なケースといえるので、やはり専門家に相談することをおすすめします。

・収入印紙代800円
・郵便切手代
・戸籍謄本の取得費用

収入印紙は相続放棄申述書の1枚目の右上に貼ります。申述人1人につき800円です。切手代は申述先の裁判所によって異なるため、申述先の裁判所にて確認しましょう。

戸籍謄本の取得費用は全国一律ではありませんが、おおよそ450円です。また、相続放棄を弁護士などの士業に依頼する場合は数万円~10万円程度が必要になります。あくまで目安なので詳細は問い合わせてみましょう。

相続放棄申述書を提出したら手続きが終わるわけではありません。家庭裁判所から「照会書」が届くので、回答・返送、受理を経てようやく手続き完了という流れになります。照会書も相続放棄申述書と同じく、正確に記載しなければなりません。手続き完了までの具体的な流れを確認しましょう。

照会書に回答・返送する

相続放棄申述書の提出から1週間~2週間後に、家庭裁判所から照会書が送られてきます。照会書とは、申述内容についての最終確認をするための書類です。調査内容は「相続開始を知った日」や「相続放棄への理解」「財産の内容の把握」などです。

この回答次第で相続放棄の可否が決まるので、慎重かつ正確に作成しなければなりません。書類を作成できたら家庭裁判所に返送します。

相続人とトラブルになっていれば、弁護士に相談するほうが無難です。ただし、弁護士は一から被相続人と相続人の関係などを調査しなくてはならず、他の相続人にコンタクトを取る必要も出てきます。意外に時間がかかる恐れがあり、場合によっては引き受けてくれないため注意が必要です。

相続放棄申述受理通知書を確認する

照会書を返送し、相続放棄が受理されると、1週間~2週間後に「相続放棄申述受理通知書」が届きます。

被相続人の借金の債権者から取り立てがあった場合、一般的に相続放棄申述受理通知書を提示することで、催促がストップします。再発行ができないため、放棄の理由を「債務超過のため」にした方はコピーしておきましょう。

次の相続人に知らせる

相続では前の順位の相続人が相続放棄した場合、次の順位の相続人に相続権が移ります。借金がある場合はその分も次の順位の相続人が引き継ぐため、速やかに知らせなければなりません。

例えば親が相続放棄をすれば、兄弟姉妹にプラス財産・マイナス財産の相続権が移行します。連絡を怠っているとトラブルに発展することもあるため、忘れないようにしましょう。

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄をした事実を家庭裁判所が証明する書類です。申請書類は相続放棄受理通知書に同封されています。証明書が必要になるのは、例えば次のケースです。

・被相続人の借金の債権者に提出を求められた場合
・不動産を名義変更する場合
・銀行口座を解約する場合

借金の債権者には相続放棄申述受理通知書を提出すれば済むときもあれば、中には証明書を求められることがあります。

なお発行枚数に制限はありません。1通あたり150円の収入印紙が必要です。郵送で受け取りたい場合は返信用の切手も添えましょう。

申述人の中には、病気などやむを得ない事情で自筆が難しい方もいるでしょう。そのようなケースでは、代筆が認められています。基本的に委任状は必要ありません。

ただし、「本人の意思に従っていれば」という条件付きです。申述人が認知症を患っている場合は、自筆も代筆は認められていません。作成したものは無効になるため、成年後見人を家庭裁判所にて選出し、代わりに作成してもらう必要があります。

相続放棄申述書は自身でも作成できます。書類を準備し、必要事項を記入して提出すればよいだけです。ただし、一から調べて正確に手続きをするのには、相応の労力がかかります。専門家に任せたほうが楽なのか、自力でも何とかなるものなのか、両者のメリット・デメリットを比較して決めるとよいでしょう。

メリット:費用負担がない

相続放棄申述書を自力で作成するメリットは、弁護士や司法書士といった専門家への報酬がかからない点です。提出後に照会書作成も依頼することを踏まえると、さらに費用がかかる傾向があります。

相続放棄をする理由や、相続を知った日などがはっきり分かっていれば、専門家を頼るまでもないかもしれません。調べるのが得意な方、時間に余裕のある方などは自力での作成にチャレンジしてもよいでしょう。

デメリット:内容の不備で却下される恐れ

一から調べながら頑張って作成しても、記述内容に不備があれば却下される可能性があります受理されずに単純承認になってしまうと、マイナスの財産も相続しなければなりません。特に、放棄の理由が「債務超過のため」である場合は、今後の生活に大きな影響を及ぼします。

申述期限である3か月を超えて提出する場合も、提出が遅れた理由を明確にする必要があります。例外を認めてもらうのは専門家でも難しいケースがあり、一般の方にはハードルが高いでしょう。

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相続放棄申述書は相続放棄を選択する場合に家庭裁判所に提出する書類です。相続の開始を知った日や申述人・被相続人の情報などを正確に記載する必要があります。さらに「相続の開始を知った日から3か月以内」に申述しないと、特別な事情がない限り相続放棄が認められません。

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