相続税告は自分で行うべき?判断基準やリスクを解説します

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相続税告は自分で行うべき?判断基準やリスクを解説します

相続税申告は税理士に相談する方が多いですが、自分でもできます。費用を抑えるために、できれば自分で申告をしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。ただし、申告漏れや計算ミスがあると税務調査が入りペナルティーが発生することもあるため、注意が必要です。

そこで今回は、相続税申告を自分で進める場合のメリット・デメリットや、起こり得るリスクをご紹介します。自分で相続税申告ができるかどうかの判断材料としてご覧ください。

相続する財産の種類が少ない場合や、控除・特例を利用しない場合など、相続内容は人によって変わります。そのため、自分で相続税申告しやすい場合もあれば、とても難しい場合もあるのが現状です。ここでは、自分で申告可能か判断する際のポイントを項目ごとに分けてご紹介します。

 

自分で相続税申告がしやすい条件 自分で相続税申告が難しい条件
法定相続人 1人 2人以上
遺産内容 現金・預貯金のみで分かりやすい 遺産総額も財産の種類も多い
控除や特例 利用しない 利用する
法定相続人同士の話し合い 不要 必要
手続きに行く時間 ある ない

法定相続人が少ないか

法定相続人が自分だけの場合は、1人で相続税申告しても問題はないでしょう。法定相続人が2人以上になると求められる「遺産分割協議書」を作成する必要がないためです。

ただし、申告内容の間違いや財産の記入漏れには注意しなければなりません。他の法定相続人もいる場合ならなおさらで、税務調査が入った結果トラブルに発展しかねないため、法定相続人が2人以上いる場合は税理士に依頼するのがよいでしょう。

遺産内容が分かりやすいか

相続する財産の種類が多い場合、特に土地を相続する場合は自力での申告が難しくなります。土地の評価額は「路線価」や「倍率方式」で評価額を確認し、そこから土地の形状によって補正を加えていくシステムです。相続税申告のプロである税理士でも、人によって評価額が変わるといわれるほど、土地の評価額を決めるのは難しい作業になります。

逆に、財産が預貯金や現金に限られる分かりやすいケースでは、自分で申告しても問題が起きにくいと考えられます。

ただし、名義預金や生前贈与など、預貯金の動きが多い場合は相続財産の確認漏れや計算ミスが起きやすいので注意しなければなりません。

控除や特例を利用しないか

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を利用する場合は、適用できる要件を満たしているかを確認する必要があります。

なお、控除や特例を利用して相続税が0円になったとしても、相続税の申告は必須です。控除や特例を適用すると、必要書類や記入項目が増え、申告書を作成する際の難易度は上がります。難しいと感じたら無理をせず、税理士に依頼するほうがよいでしょう。

相続人同士で話し合いができるか

法定相続人同士で遺産の分割割合を話し合い、「遺産分割協議書」を作成しますが、話し合いが進まずトラブルに発展するケースも少なくありません。

法定相続人同士が遠方に住んでいたり、高齢になっていたりして思うように協議が進まないケースもあります。法定相続人同士のトラブルが起こりそうな場合は、第三者(税理士)にお願いしたほうがスムーズに進むことがほとんどです。

手続きに行く時間があるか

相続税申告では銀行や役所などさまざまな場所で手続きをすることになりますが、通常は平日の決まった時間までしか開いていません。会社員など、平日の日中に自由に行動しにくい方は手続きを進めるのに苦労するでしょう

相続税は基礎控除を上回る分の財産が課税対象になります。「相続財産が分かりやすい」「法定相続人が少ない」といったケースでは、自力で申告してもそう難しくはありません。ここでは、自分で相続税申告する際の流れを手順に沿って解説します。

申告書を入手する

まずは相続税の申告書を入手しましょう。最寄りの税務署に行って申告書をもらうか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

「相続税の手引き」という資料を一緒にもらい、確認しながら進めるとスムーズでしょう。必要書類や計算方法などの記載があるので、申告の進め方が分かります。ただ、不明な点や心配事があれば、手遅れになる前に税理士に相談したほうが安全です。

必要書類を集める

相続税の申告に必要な書類はたくさんあります。大まかに分けると「身分関係の書類」「財産に関する書類」の2種類です。以下に一例をまとめました。

【身分関係の書類】
・被相続人の出征から死亡までの連続した戸籍謄本
・被相続人の住民票
・法定相続人全員の戸籍謄本
・法定相続人全員の印鑑証明 など

【財産に関する書類】
・登記簿謄本
・固定資産税納税通知書
・預金残高証明書
・生命保険金支払通知書
・過去3年分の贈与税申告書 など

相続財産の評価と分割協議

各財産の適切な評価額を算出します。財産の評価額に関する詳細は、国税庁の「財産評価」のページから確認可能です。財産の評価額を間違ってしまうと、過小評価と判断され過小評価分の相続税にプラスして加算税の支払い義務が生じることもあるので、ミスのないよう注意しましょう。

法定相続人で集まり、財産の分割割合や分割方法も決めなければなりません。協議にあたって「遺産分割協議書」を作成しましょう。遺産分割協議書を元に、財産の名義変更などを進めることになります。

相続税の計算と申告

各法定相続人にいくら相続税がかかるかを確認しましょう。相続発生から10か月以内に相続税申告と納税を完了させる必要があります。そのため、申告書と一緒に納税書も作成しておくとスムーズです。

申告書は、被相続人の住所地管轄の税務署に郵送します。納税は、税務署や銀行の窓口で支払うのが一般的ですが、金額によってはコンビニ払いやインターネット経由でのクレジットカード払いも可能です。

国税庁の調査によれば、相続税申告を自分でしている方の割合は2割弱です。これは、自分で申告するメリットよりも、デメリットやリスクのほうが大きいからだと考えられます。とはいえ、メリットは確かにあるので、項目ごとに分けて詳しく解説します。

税理士に支払う報酬を節約できる

相続税申告を税理士に依頼することのデメリットは費用がかかることです。その点、自分で申告するなら費用はかかりません。

ただし、コスト削減を重視し過ぎると、税務調査によってペナルティーの支払いが生じたり、トラブルが起きて弁護士に依頼する必要が出たりと、逆に費用がかかってしまう恐れもあります。自分で申告できるかどうかをしっかりと見極めることが大事です。

自分のペースで進められる

税理士に依頼する場合は、相談や手続きなどを進めるにあたり、決まった日時に税理士事務所に足を運ぶ必要があります。一方、自分で申告するなら、全て自分のペースで進めることが可能です。時間に縛られず、空いている時間で申告作業をしたい方には大きなメリットでしょう。

自分で申告する人が増えている

相続税を自分で申告した方の割合は、2017年で全体の約15%です。まだまだ少ないように感じますが、以前と比較すると自分で申告している方は増加しているのが現状です。

2014年 2015年 2016年 2017年
総申告件数(件) 56,239 133,176 136,891 143,881
自分で申告した数(割合) 10.3% 10.2% 16.0% 15.6%

(参考: 国税庁『平成30事務年度 国税庁実績評価書及び国税庁統計情報 相続税申告・課税状況』)

税制改正が行われた2015年より後に、自分で相続税申告をした方が増えています。基礎控除の額が下がり、比較的簡単に申告できるケースが増えたことが原因のひとつだと考えられるでしょう。

相続税申告を自分でしようと検討している方は、メリットだけでなくデメリットも知っておいたほうがよいでしょう。ここでは、自分で相続税申告する場合に起こり得る7つのリスクをご紹介します。自分で申告しようか、税理士に相談しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

相続税を多く納め過ぎてしまう

相続税の理解度が足りないまま自分で申告すると、過大申告する可能性があります。土地の評価額が適切でなかったり、本来は適用できる控除や特例を見逃していたりするためです。結果、納める税額が多くなり、手元に残る相続財産が減ります。

なお、税務署で申告方法や必要書類に関する疑問点などの相談はできますが、節税のアドバイスはもらえないと考えましょう。

時間と手間がかかる

相続税申告には「相続財産の洗い出し」や「評価額の決定」、「相続税の計算」「必要書類の収集」など、多くの作業が必要です。ミスのないようにひとつひとつ丁寧に情報収集しながら手続きを進める必要があるため、手間や時間がかかります。

また、申告までにはさまざまな機関に出向くことになりますが、銀行や役所など平日昼間しか空いていないところも少なくありません。会社に勤めながら自力で相続税申告する場合は、休みを取る必要も出てくるでしょう。

税務調査が入る可能性がある

自分で申告する場合は、「税理士に比べてミスが起こりやすい」と税務署に判断され、税務調査が入る可能性が高くなります。一方、税理士が申告する場合は質を保証する「書面添付制度」を利用してくれるため、税務調査率が下がるのがメリットです。

ただし、税理士によって得意分野は異なり、税理士に依頼したからといって「書面添付制度」を利用してくれるとは限りません。ケースに合わせて的確な申告ができる、相続や承継案件に強い税理士を選びましょう。

申告期限に間に合わない場合がある

自分で申告すると手間や時間がかかるので、申告期限に間に合わないことも考えられます。相続税の申告期限は、相続が発生したことを知った日から10か月以内です。申告が間に合わない場合は「延滞税」と「無申告加算税」が発生します。

また、何も対応せずに申告期限が過ぎると、控除や特例を利用できなくなるのも大きなデメリットです。申告期限までに分割協議がまとまらない場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」と共に、一旦申告書を提出することでペナルティーと控除や特例を利用できなくリスクを回避できます。

相続財産の申告に漏れが発生する

頑張って申告しても、申告漏れや計算ミスが発生する恐れがあります。ミスが発覚すれば「加算税」などのペナルティーがありますが、相続財産の隠ぺいと判断された場合は最も重い処分である「重加算税」がかかる可能性もあるため注意が必要です。

税理士費用を気にするあまりに、自分で申告してペナルティーが発生したら、コストを削減した意味がありません。場合によっては、税理士費用よりもペナルティーのほうが高く付くこともあるでしょう。

相続税評価が難しい

相続税申告のミスが起こりやすい代表例が土地の評価です。土地は「路線価」や「倍率方式」を用いて評価額を確認しますが、土地の形状や大きさなどによって補正を加えるため難易度は高いといえるでしょう。

一方、相続関係に強い税理士に依頼すれば、鑑定士や公認会計士などと連携して適切な評価額を見出してくれます。

税務署では丁寧な対応は期待できない

税務署でも申告方法や必要書類に関する質問、相談は可能です。ただ、業務上や立場上、以下のような対応になると考えられます。

  • ひとりひとりにかける時間は短い
  • 相続税評価額の計算はしてくれない
  • 申告書の記入や作成はしてくれない
  • 相続税対策は教えてくれない

税務署を利用する際は、基本的には全て自分で進める必要があり、「分からないことだけ質問できる」程度と考えておきましょう。

相続税の申告に関する質問や不安な点などがあれば、相続・承継案件に強いアイユーコンサルティングにご相談ください。アイユーコンサルティングには年間515件、累計2,000件の相談・申告実績があります。ひとりひとりのケースに合った相続税対策の提案も可能です。

税務調査に入られる確率は1%未満

相続税申告の10%程度が税務調査の対象となります。一方アイユーコンサルティングが申告をしたケースの税務調査率は「1%未満」です。相続・承継案件に強いアイユーコンサルティングだからこその「信頼の証」と考えています。

税務調査が入りペナルティーが発生すると、手続きする手間も追加で支払う税金も増えてしまうのがデメリットです。実績あるプロに相続税申告の相談をすることで、税務調査にかかる確率を大きく抑えられます。

特例や控除を利用して相続税対策できる

自分で相続税申告する際に難易度が高いもののひとつに「土地の評価」が挙げあれます。アイユーコンサルティングでも以下のような事例がありました。

状況 被相続人は1,000平方メートルを超える土地を所有しており、評価額が高くなっている
対応 適用要件を満たせるか見極めるために土地の現地調査を行い、「補正」を使って評価額を下げた
結果 土地の評価額4,000万円の減額、相続税は490万円の減額に成功

土地は形状や面積などさまざまな項目を加味し、評価額を算出することが大事です。アイユーコンサルティングでは、鑑定士や公認会計士とも連携を取りながら、適切な評価額を算出しています。

相続税申告は、簡単なケースであれば自分で申告手続きを進められます。ただ、申告期限を過ぎたり申告内容にミスがあったりした場合は、ペナルティーが発生する恐れがあるので要注意です。税務署で相談する手もありますが、対応できる内容に限界があり、相続税対策のアドバイスや相続税評価額の計算の代行は期待できません。

相続税申告を丁寧に教えてほしい場合や、節税方法のアドバイスが欲しい場合、申告手続きを代行してほしい場合は税理士に相談しましょう。アイユーコンサルティングでは、初回面談を無料で承ります。自宅からご参加いただけるWeb面談も実施していますので、心配事や質問などがあればお気軽にご相談ください。

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