投稿日:2025.12.31 最終更新日:2025.12.31
海外移住前に必ず確認|日本の住民税は「1月1日」で決まる
こんにちは。
税理士法人を母体に中小企業・資産家向けにサービスを展開するアイユーコンサルティンググループです。
海外移住や教育移住をご検討されている方から、
「海外に引っ越せば、日本の税金はもうかからないのでは?」
というご質問をいただくことがよくあります。
実際には、日本の税制では居住者か非居住者かの判定によって、所得税・住民税・社会保険などの取扱いが変わります。
なかでも住民税は、「いつ出国するか」によって結果が大きく変わる税目です。
本記事では、海外移住を検討する際に必ず押さえておきたい
住民税の課税ルールと出国タイミングの考え方を整理します。
住民税は「1月1日時点の住所」で決まる
日本の住民税は、地方税法により
その年の1月1日時点で日本に住所があるかどうか
によって課税の有無が決まります。
整理すると、次のとおりです。
-
1月1日時点で日本に住所がある
→ その年度分の住民税が課税される -
1月1日時点で日本に住所がない
→ その年度分の住民税は課税されない
このルールから分かるとおり、
住民税は「前年の所得」ではなく「1月1日の住所」で判定される税金です。
そのため、海外移住においては
出国日と住民票の扱いが非常に重要になります。
出国タイミングによる住民税の違い
出国時期が年末か年始かで、住民税の扱いは大きく変わります。
-
12月中に出国し、国外転出届を提出した場合
→ 翌年度分の住民税は原則として課税されません -
1月に入ってから出国した場合
→ その年度分の住民税が課税されます
不動産や株式の売却などで前年に大きな所得がある場合、
出国タイミングがわずか数週間違うだけで、数十万〜数百万円単位の差が生じることもあります。
ここが、海外移住における住民税の大きな注意点です。
よくある誤解と注意点
住民票を抜けば住民税はかからない?
住民税は、住民票を抜いた日ではなく
1月1日時点の住所で判定されます。
国外転出届を提出していても、
1月1日時点で日本に住所があると判断されれば、その年度分は課税対象となります。
家族が先に移住すれば、自分の住民税は不要?
家族が海外へ移住していても、
本人の住所が日本にある限り、本人の住民税は課税対象です。
たとえば、配偶者や子どもが前年中に海外転出していても、
本人が1月1日に日本に住所を有していれば、住民税は課税されます。
収入がない年は住民税もかからない?
住民税は前年の所得をもとに課税されます。
そのため、今年の収入がゼロであっても、前年に所得があれば課税されるケースがあります。
出国前に確認しておきたい手続き
海外移住を予定している場合、次の手続きは必ず確認しておきましょう。
国外転出届の提出
出国日が決まっていれば、事前に市区町村へ提出が可能です。
実務上は、出国予定日の1か月前を目安に提出するケースが多く見られます。
提出が漏れると、「住所は日本にある」と判断され、住民税が課税される可能性があります。
出国日を年内に設定できるかの検討
可能であれば、
12月31日までに出国・除票を完了させることで、翌年度分の住民税を回避できます。
年末年始は自治体窓口が閉まることも多いため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
納税管理人の届出
出国後の税務書類を受け取るため、
納税管理人の届出が必要になります。
納税管理人は、家族や知人に依頼することもできますが、
専門家へ依頼されるケースも多くあります。
※住民税と所得税では、提出先や様式が異なるため注意が必要です。
マレーシア移住を検討されている方へ
マレーシアのビザ(MM2H、PVIP、学生ビザなど)は、
想定より取得に時間がかかり、出国時期がずれやすい傾向があります。
そのため、
住民税の1月1日ルールを前提に、逆算して移住計画を立てることが重要です。
教育移住の場合は特に、
「ビザ」「学校」「住民税」を同時に整理する視点が欠かせません。
住民税は「知らなかった」が一番のリスク
-
ルールを知らなかった
-
出国タイミングを誤った
-
手続きを後回しにしてしまった
こうした理由だけで、本来不要だったかもしれない住民税が発生するケースは少なくありません。
移住の年は、教育費・生活費・住居費など、家計が大きく動きます。
だからこそ、住民税の整理は移住準備の初期段階で行うことが重要です。
室長コメント
教育移住のご相談を受ける中で、
住民税に関する誤解が原因となるトラブルは非常に多いと感じています。
「いつ出国するか」
「誰が先に移住するか」
この2点だけでも、翌年度分の住民税は大きく変わります。
不安なまま進めず、ぜひ早めに専門家へご相談ください。
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※本記事は2025年時点の制度・情報に基づいて作成しています。制度は今後変更となる可能性があります。