生前贈与、特例、財産の評価減、資産の組み換え等で相続税を減らす - 相続の基礎知識

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生前贈与はその名の通り、被相続人が存命のうちにしかできない節税対策で、贈与税に関わります。
贈与税は、受け取った財産額が年間110万円までであれば、課税対象に当たりません。
また、生前に2,500万円まで無税で贈与することができる相続時精算課税制度があります。これらの制度により、様々な対策が可能であるため、生前贈与の活用ををおすすめします。

非課税枠を利用した生前贈与

110万円の基礎控除による非課税枠の活用
贈与税は、贈与を受けた金額が年間で110万円以内であれば誰からどんな贈与を受けようとも、基礎控除により贈与税はかかりません。この非課税枠を使って毎年贈与を繰り返すと、それなりの額を移転することができます。
ポイント 長期的に行う/複数の人に対して行う/毎年行う
注意点 長毎年同じ相手に同じ金額の贈与を繰り返すと、多額の贈与を毎年分割して行っているとみなされ、税務署から指摘を受けることがある

 

2,000万円の夫婦間贈与の特例による非課税枠の活用
配偶者から居住用の不動産、もしくはこれを購入するための資金を贈与されたときに、最高2,000万円まで贈与税から控除されるのが配偶者控除です。→2,000万円の贈与税の配偶者控除について
ポイント 多額の相続税が発生する場合は効果が大きい見込み
自宅の面積が330m2(2015年1月1日以降に相続の開始があった場合)又は240m2(2014年12月31日までに相続の開始があった場合)を超えそうな場合は効果が大きい見込み(小規模宅地等の特例が使えない部分がある)
配偶者には相続財産がほとんどない場合は、効果が大きい見込み
注意点 以下の条件が必要になります。
・婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与である
・今までに配偶者控除を受けていない(同一夫婦間で1度だけ)
・贈与財産は、居住用不動産又は居住用不動産の取得資金のいずれかである
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)居住用不動産を居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込である
・贈与税の申告をする

 

2,500万円の相続時精算課税による非課税枠の活用
相続時精算課税の特例は、贈与税の負担を大幅に軽減し、財産の早期移転を促すために設けられた制度で、2,500万円まで非課税での贈与が可能です。→2,500万円の相続時精算課税について
ポイント 相続税時精算課税にて贈与された財産は、相続財産に足し戻して計算されますが、足し戻しの金額は贈与時の評価額になります。そのため、将来的に相続するものの評価額が、贈与時より相続時のほうが高くなっている場合は、結果として節税につながります。
→将来値上がりすることが見込まれる財産

 

親が子や孫の生活費を負担することによる贈与

被相続人である親が、子や孫の生活費を負担することで、相続財産を減らすことができます。扶養義務者が子や孫の生活費を負担しても、常識の範囲であれば贈与とはみなされず、非課税です。

生活費としてみなされるもの 日常生活を営む費用/治療費/養育費
ポイント 生活費とみなされるためには、毎月決めた額を渡すよりも、必要な都度現金で渡すことが重要です。

祖父母が孫などの教育費を負担することによる贈与

扶養義務者が孫などの教育費を負担すれば、負担しただけ相続財産を減らすことができます。生活費と同様に、常識の範囲であれば非課税です。

教育費としてみなされるもの 必要と認められる学資/教育費/文具費/入学金/海外留学費
ポイント まとめて渡さずに必要な都度、現金で渡すほうが良いでしょう。

生命保険料相当額を子に贈与する

特定の条件下であれば、保険金がおりた場合に、贈与資金を元に子が保険料を払っていたため、保険金は子自身がかけていた保険がおりただけで、そこに対してはかけた保険料を上回る部分についてのみ、一時所得が課税されるのみになります。

条件 契約者かつ受け取り人を子とし、被保険者を親とし終身保険を契約する
親は、贈与税の基礎控除枠を活用して、110万円までの保険料相当額を毎年贈与する
子は、贈与されたお金を元に保険料を支払う
注意点 契約する保険によって内容が異なるため、保険選びは慎重に行うこと
親が保険料を直接支払っている場合などは、保険金とみなされ相続財産となってしまうことがあるため注意が必要

冠婚葬祭費用を支出することによる贈与

結婚式のお祝いや香典など冠婚葬祭の費用は贈与にあたりますが、贈与税は非課税です。ただし、必要以上に多額に与え、常識の範囲を超えた場合には贈与税が課税される恐れがあります。

その他の冠婚葬祭に関係した対策 墓地、墓石、仏壇などは、相続税がかかりません。
購入した費用の分だけ相続税を減らすことができます。
ポイント ローンで購入し、返済中に亡くなった場合、未払い金は債務控除の対象外のため、現金で購入すること
相続後に遺族が遺産から支出し、購入しても同様の効果はないため、生前に購入する

小規模宅地の特例について

遺産の中に居住用や事業用に使用していた宅地等がある場合には、その宅地等の評価額の一定割合を減額する特例があります。これを小規模宅地等の特例といいます。

対象となる宅地

・居住用宅地
・事業用宅地

いずれも、被相続人または被相続人と生計を一つにしていた親族が居住用または、事業用(※1)として使用していたものが対象となります。また、その宅地の上に建物や構築物があることが条件になります。
※1:事業規模に至らない、小規模なアパート経営等も対象になります。

特例を受けられる人

相続人あるいは、親族であるかどうかを問わず、その宅地を相続や遺贈によって取得した人が対象です。ただし、被相続人の配偶者など特定の者を除き、少なくとも相続税の申告期限まで引き続き居住、または事業を行うことが求められます。居住・事業継続の要件を満たせない場合は、評価減の特例は適用することができません。

減額される割合

宅地の種類 適用面積 減額割合
居住用 特定居住用宅地 330㎡(2015年1月1日以降に相続の開始があった場合)
240㎡(2014年12月31日までに相続の開始があった場合)
80%
事業用 特定事業用宅地 400㎡ 80%
特定同族会社事業用宅地
不動産貸付用宅地 200㎡ 50%

特例の対象となる宅地を取得した人の、それぞれの要件によって減額の割合が変わってきます。

80%引きになる特定居住用宅地の要件
特例の対象となる宅地を取得した人が、以下に該当する場合、330m2(2015年1月1日以降に相続の開始があった場合)又は240m2(2014年12月31日までに相続の開始があった場合)までの部分が80%引きになります。
・配偶者
・同居親族
・3年借家住まいの別居親族
・生計を一にする親族

 

80%引きになる特例事業用宅地の要件
特例の対象となる宅地を取得した人が、以下に該当する場合、400m2までの部分が80%引きになります。
・被相続人が事業に使用していた宅地を、事業を引き継ぐ親族が取得し、申告期限まで事業を継続かつ宅地を所有しているとき
・被相続人がオーナー社長である同族会社などが使用していた宅地で、一定の要件を満たす場合

 

50%引きになる不動産貸付用宅地の要件
被相続人が営む事業が以下に該当する場合は、200m2までの部分が50%引きになります。
・不動産貸付業
・駐車場業
・自転車駐車場業

小規模宅地等の特例の活用例

→自宅を戸建てからマンションに買い替える

→広大な庭があるような自宅の土地を一部売却する

→路線価の高い地域への引っ越し

→二世帯住宅への変更

→賃貸・事業兼用住宅は、区分所有登記に変更する

注意点
被相続人が老人ホームに引っ越した等、空家になった自宅については以下の状況が客観的に認められる場合に限り、居住用の小規模宅地等の特例の適用が認められます。
・被相続人に介護が必要なため入所したものであること
・当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと。

自己資金もしくは借金をして賃貸物件を建てた場合、相続の際に土地の評価額や建物の価額が低くなるので基本的には相続税が安くなります。

土地・建物の評価減

・土地の評価が更地に比べて低くなり、更地の約8割の評価になります。
・建物の価額は、固定資産の評価額がそのまま相続税の評価額となり、建築費の約6割程まで下がるといわれます。
・小規模宅地等の特例が受けられる可能性があります。

評価減の対象

・土地が細長い形をしている
・土地の形がいびつ
・所有していると土地に私道が含まれる
・土地が細長い形をしている道路に接していない
・土地が広すぎる
・容積率の異なる地域にまたがっている
・都市計画にかかわっている
・路線価が設定されていない
・がけ地がある
・セットバックが必要
・高圧線下にある
・地下鉄が通っている
・土壌が汚染されている
・極端な高低差がある
・近隣にお墓がある
・騒音や異臭がする

不動産の組み換えや買い替えによって、小規模宅地等の特例を使う以外にも節税につながるケースがあります。

→資産の組み換えをする

相続後、不動産などを必然的に売却せざるを得ない状況が多くあります。その際、相続財産を売って得た利益は、所得税と住民税(譲渡所得税)が課税されます。
このような譲渡所得税についても節税対策をとることができます。

→譲渡所得税の節税

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