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相続が発生して遺言が無い場合、遺産を相続人に分配するのが遺産分割 - 相続の基礎知識

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遺産分割とは

被相続人が遺言を残さずに亡くなった場合、被相続人の遺産が相続人全員の共有状態になります。その共有状態になっている遺産を具体的に分配していくことを『遺産分割』といいます。

遺産分割協議について

債務も含むすべての遺産が確認できたら、必ず相続人全員で遺産の分配について協議します。一部の相続人を除外して行った場合は、無効になります。遺産分割協議の際に各相続人は、法定相続分をもとに自分の権利を主張することができて、遺産分割は相続人全員の合意があれば、法定相続分の割合に関わらず自由に行うことが可能です。協議が成立したら「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員(特別代理人も含む)は、これに署名押印します。

よくある遺産分割協議の問題点1 遺産分割協議が合意に至らない

相続人同士の協議で遺産を分割できるのが理想ですが、意見が割れて合意に至らなかったり、遺産分割協議に参加しようとしない相続人がいたりと協議自体ができないこともあります。このような場合、家庭裁判所で調停(調停分割)や審判(審判分割)で遺産を分割することになります。

調停分割について 調停申立は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。調停は、調停委員会(審判官と2人以上の調停委員からなる)の立会のもと行われます。調停委員会では各相続人の主張をきき、必要に応じて事実調査を行ったうえで、妥当な線で話し合いがまとまるような方向性を示したり、アドバイスを行ったりします。調停はあくまで当事者同士の話し合いが基本ですので、調停委員から分割方法を強制されることはありません。話し合い成立後は、合意内容を記した「調停調書」に基づいて、遺産の分割を行うことになります。
審判分割について 調停で話し合いがまとまらない場合は、審判に移行されます。審判官は、当事者の主張を受けて証拠調査をし、財産にかかわる一切の事情を考慮した上で分割方法を決め、審判を下します。審判は法的強制力を持っているため、その内容に従って遺産を分割することになります。審判の内容が不服である場合、2週間以内に「即時抗告」の申立を行い、高等裁判所で争うことになります。

よくある遺産分割協議の問題点2 相続人に未成年者がいる

未成年者の相続人は遺産分割協議に直接参加することはできません。この場合は、親などの親権者や後見人が未成年者の法定代理人として遺産分割協議に出席することになります。しかし、父親が亡くなり、母親と未成年の子が相続人になるなど、未成年者の親自身が相続人であるときは、法律的に子と母の利益は相反しているため、母は子の代理をすることはできません。遺産分割は利害を伴うので、利益の相反する者が代理人になり、自分と被代理人(未成年の子)の両方の取り分の取り決めをすることは許されていません。こういった場合、親権者・後見人は、家庭裁判所に未成年者の特別代理人の選任を請求する必要があります。

未成年者と親権者・後見人の利益が相反するケース
親権者(または後見人)も共同相続人の場合
複数の未成年者がいて、親権者(または後見人)が共通している場合
相続人に未成年がいた場合の例
夫が被相続人で妻と子(未成年者)が相続人の場合 妻は子の特別代理人の選任を申立て、妻と特別代理人が二人で遺産分割協議を行います。
子が二人いて共に未成年者の場合 妻は子の特別代理人を二人たてて、妻と特別代理人二人の計3人で行います。
母が相続人ではなく(内縁関係等)、二人の子(未成年者)だけが相続人である場合 法的に二人の子の利益は相反しているので、母(親権者)は両方の代理人になることはできません。特別代理人を一人選任してもらう必要があります。
夫が亡くなったときに妻が妊娠していた場合 法律上では胎児も相続人になります。そのため、遺産分割の際には生まれていない胎児に対しても特別代理人を選任する必要があります。

よくある遺産分割協議の問題点3 相続人の中に自分で判断することができない人(成人)がいる

法定相続人に自分で判断することができない人(成人)がいるにも関わらず、遺産分割を行った場合、その分割は無効になります。このような場合、成年後見制度を利用します。成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」の二種類があります。

成年後見制度の申立て
成年後見制度の申立ては、その本人の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。必要書類の用意や調査などが整い次第、成年後見制度が開始となります。
手順①
家庭裁判所への申立て
必要な書類が出来たら、本人の住所を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
手順②
事実の調査
申立が受理されると、本人、申立人、成年後見人候補者が家庭裁判所に呼ばれて家庭裁判所調査官から事情を聞かれます。
手順③
精神鑑定
精神鑑定が精神科医などに依頼されます。
手順④
審判
事実調査・精神鑑定を経て家庭裁判所からそのまま成年後見人候補者が選任されることが多いですが、認められない場合には、司法書士等が選任されることもあります。
手順⑤
審判の告知と通知
裁判所から審判書謄本をもらいます。
手順⑥
成年後見制度の開始
東京法務局にその旨が登記されます。
申立てに必要な書類
・財産目録
・収支状況報告書
・申立事情説明書
・後見人候補者事情説明書
・本人と親族関係を明らかにする親族関係の図面
・その他の必要書類(通帳や不動産の登記事項証明書など、事案によって必要な書類は異なります)
→必要な書類作成の依頼はこちら

 

成年後見制度について
精神上の障害(認知症、精神疾患等)により判断能力の十分ではない方が不利益を被らないよう、家庭裁判所に申立てを行い、その方の法律行為を援助する代理人を付けてもらう制度です。
法定後見制度は本人の精神上の障害の程度によって、後見、保佐、補助の3つに分かれます。
後見 ほとんど判断出来ない人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症等)によって常に自分で判断して法律行為をすることはできないという状態の方を保護します。家庭裁判所は成年後見人を選任し、成年後見人は本人の財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行うことができます。また、成年後見人と本人は、本人が自ら行った法律行為に関して、日常行為に関するもの以外であれば取り消すことができます。
保佐 判断能力が著しく不十分な人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症等)によって簡単なことであれば自分で判断できるが、法律で定められた一定の重要な事項については援助してもらわないとできないという状態の方を保護します。家庭裁判所は保佐人を選任し、さらに、保佐人に対して当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権を与えることができます。また、保佐人と本人は本人が自ら行った重要な法律行為に関して取り消すことができます。
補助 判断能力が不十分な人を対象としています。
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症等)によって大体のことは自分で判断できるが、難しい事項については援助をしてもらわないとできないという状態の方を保護します。家庭裁判所は補助人を選任し、補助人には当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権または同意権(取消権)を与えることができます。

 

任意後見制度
現在は元気で支障がないが、将来、判断能力が衰えてしまった場合に備えて支援内容・方法を今のうちに信頼できる人に頼んでおきたいという場合に使う制度です。

遺産分割協議書について

遺産分割協議書の様式は特に決まっていませんが、必要な記載事項があります。

必要な記載事項 亡くなられた方の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
亡くなられた方の相続人を確認するため、遺産分割協議に参加する人を確認するために必要です。
亡くなられた方の戸籍の附票、住民票の除票
亡くなられた方の死亡時の住所を確認するために必要です。
相続人の住民票
相続人の実印と印鑑証明書
財産の内容がわかる資料
預貯金の場合は預金通帳、残高証明・不動産の場合は登記簿謄本など

 

遺産分割協議書作成の流れ
手順①
被相続人を特定する
被相続人の氏名の他、生年月日、死亡年月日、本籍、最後の住所を確認します。
手順②
相続人を特定する
相続人全員の氏名のほか、被相続人との続柄、各人の戸籍、住所、生年月日の確認をします。
手順③
相続財産の確認
分割協議書に記載する財産を確認します。不動産であれば、登記簿謄本を参考にします。株式・公社債・預貯金等については、銘柄・株数・金額・金融機関名だけでなく、証券番号・口座番号も確認します。
手順④
各相続人の署名・押印
各相続人は、氏名を自署し、実印で押印します。
手順⑤
印鑑証明書を添付し、保管
分割協議書は共同相続人の人数分作成し、各人の印鑑証明書を添付し、それぞれが保管します。

お問い合わせ

TEL:0800-111-7520(フリーコール)

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